台湾ニュースブログ

YouTubeにアップロードされている台湾のニュースを日本語に意訳しています。

台北人口減少中

日本でも地方への移住が盛んになってきていますが、台北でここ数年人口減少が続いているようです。

 

その背景にはどのようなことがあるのでしょうか?

 

今回はそんなニュースです。それではどうぞ。

 

台北人 来年には250万人を切るか 柯市政混乱に陥る可能性も

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柯文哲台北市長:大丈夫、大丈夫、まずは問題としっかり対峙することが問題解決の第一歩です。」

台北市長柯文哲:「不要緊張,不要緊張,面對問題是解決問題的第一步。」

 

人口流出に対して、とてもあっさりした口調です。しかし台北市の人口は引き続き減少を続けています。これは来年の柯市長の来年の人事に大きな動きを及ぼすのみならず、黄珊珊氏が正式に市長選に向けて動き出すタイミングに影響がでるかもしれません。

對人口流失,很淡定,但台北市人口,再繼續負成長,不但可能牽動柯文哲,明年的人事布局,也影響黃珊珊正式啟動,角逐市長的時間點。

※タメになる表現

明年:来年(ちなみに中国語で「來年」と書くとかなり文学的表現のようです)

去年:去年、昨年 ⇒ 今年:今年 ⇒ 明年:来年

 

柯文哲台北市長「来年のことは来年悩みましょう、でも解決できると思います。この2年は新型コロナの影響でもともと台北に戸籍があった人が戻ってきていないようで、台北での戸籍を取り消されている、私もいったいどれくらいの人数の戸籍が台北からなくなってるか民政局に統計お願いしています。」

台北市長柯文哲:「明年的事明年再煩惱,不過會解決啦,這兩年疫情我們有很多戶籍在台北的,都沒有回來所以被取消掉,我叫他們民政局統計看看,看到底取消掉多少。」

 

柯市長は非常に落ち着いている様子ですが、実際の数字を見てみると、2017年の台北市の総人口は269万、翌年には266万人、昨年は一気に減少し260万人、今年も引き続き下降の一途をたどり253万人となり、この24年での最少を記録寸前です。来年の5月には250万人を下回ることが予想され、その際には現在3名いる副市長から一名を削らなければなりません。

柯文哲老神在在,但從數字來看,2017年北市總人數269萬多,隔年掉到266萬人,去年一口氣減少為260萬人,結果今年繼續下探到253萬,即將創24年來新低,預估明年五月,會跌破250萬人,到時三位副市長,得砍掉一位。

※タメになる表現

一口氣:一気に

(例)他一口氣喝掉整瓶可樂:彼は一気にコーラ一本飲み干した

 

黄珊珊台北市副市長「(副市長の)人数については法律により定められているものですから。台北はやはり最も過ごしやすい街ですし、引き続き台北に留まってほしい。私たちも(台北市における)居住正義政策についても徹底的にやっていきます。今の台北の家賃は間違いなく見ただけでもゾッとしますからね。」

台北市副市長黃珊珊:「人數的話那本來就是法律的規定,台北還是最宜居的城市,你可以在台北繼續留下來,我們可能要把居住正義這件事情,做得更徹底一些,因為畢竟台北的房價,的確是讓人望而生畏的。」

※ちょっと豆知識

居住正義とは、「独立した部屋、充足たる空間、充足たる安全、充足たる照明と通気、厨房並び浴場設備を持ち、就業や基本的な社会公共施設を利用するにふさわしい立地、そしてその一切が合理的な費用であること」という定義で、近年高騰する不動産価格により、社会的に立場の弱い人の住居確保が難しくなっていることに対し支援をしようと掲げられている政策です。

台北市のHPリンク貼り付けておきますので、中国語読める方はぜひ。

housingjustice.gov.taipei

 

直轄市の副市長は基本的に2名ですが、台北は250万の人口を越えているということで更に1名の追加を認められています。しかし、黄珊珊副市長は来年の台北市長選への出馬を予定しており、来年の6月黄副市長の後任として、民進党の現在民政局長を務める蘭世聡氏が選出されると見込まれていますが、万が一この台北の人口が250万を下回った場合、そのポストは消滅してしまうため、柯文哲市長が蘭世聡氏をポストにつけ、民進党と距離を縮めようとする思惑が空振りに終わる可能性もあり、黄珊珊氏の辞職のタイミングが大きな鍵を握っています。

直轄市副市長基本上只有兩位,台北因為超過250萬人口,才能再多一位,但黃珊珊要參選,傳出明年六月辭副市長後,將由民進黨籍的,民政局長藍世聰遞補上去,萬一人數未達標,可能遇缺不補,柯文哲想藉藍世聰,拉攏綠營的盤算落空,因此黃珊珊辭職時間,很關鍵。

※勉強になった新単語

拉攏lā lǒng:(手段を講じて)丸め込む、言いくるめて味方にする、篭絡する

 

黄珊珊台北市副市長「私個人とは何の関係もありません。。この街(台北市)の発展のために戻ってくるつもりです。私たちはいつも環南のものを食べてますから。」

台北市副市長黃珊珊:「跟我個人沒什麼關係,應該還是回到這個城市的發展,我們每天都吃環南的東西。」

※ちょっと豆知識

「環南」というの「環南市場」を指しており、ここは卸売と小売の両者が入り混じっており、台北市内で最も店舗が多く、一番の品揃えということで台北の台所的な意味合いを込めて「環南のものを食べている」と表現していると思われます。

 

市民との距離を縮めるため、街の日常を視察する黄珊珊氏。それとまた、どのように台北に人を留めるのかも考えなければなりません。

參觀城西生活街,黃珊珊要拉近,跟民眾的距離,也得想辦法,把人留在台北

※タメになる表現

把~(名詞)…動詞(2文字以上):~(名詞)を…(動詞)する

(例)我要把電視抬到五樓去:私はテレビを五階まで持っていかないといけない

「把」構文は「(今ある状態の)~(ヒト・モノ等)を…(違う状態に)する」という意味合いで使います。なので例文で出したものは「(今五階より下にある)テレビを(今とは違う)五階まで持っていく」ということになります。

それでこの「把」構文は名詞の後につける動詞は2文字以上でなければなりません。それは単純に熟語の動詞でも構わないですし、一文字の動詞に「到・完・給」などの方向補語を加えたものでも大丈夫です。「你一定要把這個午餐"吃完":あなたは絶対にこの昼食を食べきらないといけない」とか「聽説今天要把這個公園"封鎖":話だと今日この公園封鎖するらしい」となります。「將」でも同じ構文作れますが文章等で使われることが多く、口語的なのは「把」の方です。

 

確かに台北って家賃高いんですよね。

初任給平均が3万元ほどと言われる台湾で、台北の家賃は安くても1万元から。マシな部屋に住もうと思うと更に高い。

 

そうなるとやはり、その周りの新北市やさらには桃園市に住むことを選ぶ人が増えるのは自明の理かもしれませんね。

 

台湾では「部屋は住むためのもので、金融商品じゃない!」と声が挙がっているそう。

 

しかし台湾も日本同様、お給料上がらないイメージが続いてるな~

 

次回も気になるニュースお届けします。